設立15周年、NPO法人全国G空間情報技術研究会の歩みとこれから

 

設立15周年、NPO法人全国G空間情報技術研究会の歩みとこれから

―第1回  地方の中小規模の測量設計業者のGISスキル向上と地方活性化法-

NPO法人全国G空間情報技術研究会    理事長    碓井照子

 NPO法人全国GIS技術研究会は、今年から名称をNPO法人全国G空間情報技術研究会に名称変更した。この背景には、第3次地理空間情報活用推進基本計画の中で示されたG空間情報センターをハブとしたG空間情報社会の到来、建設業におけるI-Constructionの推進、農林業の本格的なIT化がある。2018年で設立以来15周年を迎える活動の節目に、今までの活動の軌跡を振り返りながらこれからの活動の方向性を考えてみることにした。このシリーズは、3回連載である。

   私はかつて、GIS産業論を日本測量協会の月刊「測量」に2013年11月号(第1回)から2015年3月号(第8回)まで連載したことがある。第2回「1990年代日本経済の構造変革期におけるGIS産業」(月刊「測量」2014年1月号)の中で、戦後日本の産業・経済政策が「公共事業を中心とした国土の均衡ある発展政策」からバブル経済の崩壊とともに、製造業の海外進出による日本国内の空洞化の進展など日本経済がグローバリゼーションの中で大きく変質し、日本型経営から市場中心型経営へ、国際市場を見据えた競争原理の導入と経済活動の東京一極集中化の激化を説明した。この激動の1990年代初頭には、AM/FM学会が1990年に、GIS学会が1992年に設立された。1995年の阪神淡路大震災を契機に同年、GIS省庁連絡会議が設置されて、GIS産業の育成がIT産業政策として始まるのである。

   図1は、1960年から2015年までの建設投資額と測量・設計コンサルタント業登録者数の推移と1995年の阪神淡路大震災を契機に始まった国のGIS政策(基盤形成期、発展期、普及期)の関係を示している。この図では、GIS産業論の第7回「中小規模の測量業におけるイノベーション」(月刊「測量」2014年11月号)の中で、建設投資額の減少期(1996年以降)に政府のGIS基盤形成期が始まり、建設投資額が激減し公共事業が減少する中、ITを活用したGISスキルの向上が測量設計業に必要であったことを説明した。我々のNPOの最初の活動が始まったのは、1999年7月9日、北海道における測量設計業者を中心に設立された北海道GIS技術研究会からである。その後、中四国、関東甲信越東海、東北、九州、近畿中部北陸でGIS技術研究会が設立され、GIS学会の賛助団体として学会活動に参加した。その目的は、地方の中小規模の測量設計業者のGISスキルを向上させることにより、中小規模の測量設計業にイノベーションを起こし、地方経済の活性化と地域情報化を推進させるためであった。

   そして15年、我々NPOの会員企業は、GIS技術力の高い地方の中小規模の企業として地方自治体にも認識されるようになってきた。

 

 

図1 建設投資額と測量業・建設コンサルタントの登録業者数の推移ト日本のGIS政策

          月刊「測量」2014年11月号pp24-27の第1図(p.32)より引用

 

「GIS NEXT  2017.10  第61号 掲載記事より