ジュニアボード2019 inつくば
NPO法人全国G空間情報技術研究会 専務理事 宮島四郎
ジュニアボードとは 2018年秋に、NPO活動15周年記念事業として発足した組織です。私達の理事の多くは「団塊の世代」です。事業を如何に継承するかが大きな経営課題になっています。 測量業は、i-Constructionの新しい時代を迎えて大きく変わろうとしています。現執行部だけで集まり、事業を継続して行くことは難しいと判断しました。そこで会員企業の若手ボードメンバーを募り、事業継承を前提に、本物を見たり・聞いたり・触ったりする場を設定することで、新しい時代に対応できる組織を作って貰いたいと考えました。 発足時は関東支部から9名の参加でしたが、今回は北海道・東北支部も加わって、9月26日・27日の一泊二日の日程で、研修会をつくばで実施しました。 |
登録してくれたことに対して、国土地理院の自然災害伝承碑事業を推進する担当部長として、労いと感謝の言葉をいただきました。 夕方、隣接する「地図と測量の科学館」の見学コースでビデオの上映を受けました。一般に公開されている施設ですが、初めての参加者が多く、説明員の解説に聞き入って、改めて、国土地理院の全体の仕事を知ることができたと、大変好評でした。
9月27日の研修内容 |
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9月26日の研修内容 午後から国土地理院つくば本院に集まりました。先ずは、本館2階にある参事官室を訪問して、鎌田参事官から衛星測位時代の位置精度と三次元地図の扱い方、そして災害被害を少なくするための精度管理の重要性を話していただきました。参加メンバーへは「新しい時代を迎えるに当たり、決して逃げていけない!」と叱咤激励されました。次に、5階の応用地理部に移動して、中島部長から「国土地理院の防災・地理教育支援」と題して講話をいただきました。話の中で、南海トラフ地震発生時に津波被害が想定されている田辺市で、地元会員3社が現存する津波碑18箇所を測量し
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TX万博記念公園駅近くに2018年新築された、日本測量協会測量技術センターの3階にある会議室で研修を行いました。最初に測量技術センター1階と4階に設置されている検定機器の見学と説明を受けました。 研修1. 国土地理院企画部防災推進室長の田山裕二氏に「ランドバード部隊の活動と災害時対応」の講演をいただき、最近発生した災害現場をUAVで取得した動画も見せていただきました。被災現場を単に上空から撮影するだけではなく、土砂災害であれば周辺も撮影して、新たな亀裂が発生していないかを確認することで二次災害に備えられると説明を受け「目からウロコ」でした。全国の会員が現場で実践を重ねて、情報を共有する重要性を学びました。今後の活動として、国土地理院ランドバード部隊の協力により、UAVによる災害対応のためのマニアル整備の必要性も感じました。 |
研修2. 国土地理院企画部専門調査官の斎藤俊信氏に「三次元点群データの活用に向けた国土地理院の取り組み」として、UAV・地上レーザーとレーザーをUAVに搭載した公共測量マニュアル(案)の解説をしていただきました。i-Constructionの入り口となる測量の位置付けを理解して、その後の工程に繋がる三次元データ作成の意義を認識できました。まとめでは、測量会社が新技術を積極的に取り入れ、高精度の位置情報を整備できる技術力を習得することが、新しい測量技術者に求められていると、アドバイスをいただきました。 最後に、全員で二日間の研修を振り返り意見交換しました。「日頃の仕事に忙殺され、なかなか触れられなかった業界の変化を実感できた」「将来に不安を感じていたが、やるべきことがハッキリしてきたことで逆に勇気が湧いてきた」などの感想があり、全員から前向きな発言を聞くことができて、主催者側としても、満足できる研修会でした。
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「GIS NEXT 第69号 掲載記事より」