第17回全国大会は、3年続けてオンラインでの開催
NPO法人全国G空間情報技術研究会 専務理事 宮島 四郎
2022年度は、全国6支部の会員が東京で一堂に会する大会を想定しつつ、コロナの収束を期待して開催日を1月27日(金)に設定しましたが、残念ながらコロナの感染は収まらず、3年続けてのオンライン開催となりました。図1の大会プログラムにあるように、大会には2名の方に基調講演をお願いしました。まず、2022年6月に国土地理院参事官になられた大木章一氏に講演いただきました。大木氏は国土地理院に入省後、本省に出向され、2007年に成立した地理空間情報活用推進基本法の原案作りを担当されました。成立後は国土地理院に戻られ、中部地方測量部長、そして本院で部長職を歴任されました。企画部長時代には、NHKテレビ「ブラタモリ」に2回出演され、国土地理院の測量について分かりやすく解説されました。もうお一方は、デジタル庁データ戦略統括本部の平本健二氏です。大手SIからコンサルティング会社を経由して内閣府に所属され、2021年9月にデジタル庁創設と同時に入庁されました。民間で培った知識と経験を生かしてご活躍されています。また、地理空間情報にも精通しておられ、「VIRTUAL SHIZUOKA」の推進役である静岡県交通基盤部の杉本直也氏とも意見交換をされていると聞いています。 大会の冒頭には、碓井理事長が「我々は、20年前の設立当初より地方自治体におけるGIS活用推進の為に活動してきた。そのために、地域情報産業の担い手を育成する活動を継続して実施してきた。BIM/CIM/ GISに対しても、2012年から点群データや三次元測量の技術研修も行ってきた。また、2022年度は、それらの研修を技術者だけでなく、経営層や営業職にも行った。来年度は、BIM/CIM/ GISが統合される時代を見越して、各会員企業の全員が研修できる仕組み作りとして、 |
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企業内リスキリング教室設立のための準備に入りたいと考えている」と講演し、今まで地道に取り組んできた実績を示すとともに、新しい測量の時代を迎えても準備をしっかり行うことで社会に貢献していけることを強調しました。 次に、国土地理院大木参事官が、国際連合における地理空間情報に関する専門家委員会において、国土地理院が災害のための地理空間情報とサービスWGの議長を務めるとともに、専門家委員会の地域委員会の一つであるアジア太平洋地域委員会では副会長、その測地基本座標系WGでは座長をそれぞれ務めていることを説明されました。また、関連して地理空間情報に関する世界各国の取り組みの最新情報についてもお話しされました。さらに、国内の取り組みとして、政府の第四期地理空間情報活用推進基本計画の具体的内容と、その中での国土地理院の役割を分かりやすく説明されました。 続いて、デジタル庁平本健二氏からは、「データ戦略の推進と地理空間情報への取り組み」と題して、デジタル庁が政府相互運用性フレームワークを提供することで、 |
今迄の各部署バラバラなデータ活用から、データの利活用、連携がスムーズに行えるようになることをレゴブロックを使ってお話しいただきました(図2)。データの二次利用を制限する概念を覆して、国が「ベースレジストリ」を整備・活用する背景がよく理解できる講演となりました。 今回は、全国6支部から115名の参加がありました。終了後のアンケートには96名から回答がありました。その結果からは、我々が企画段階で考えていたことが十分実現できたことが読み取れます(図3)。オンラインでの良さも実感できたため、次年度以降の知識習得に向けた活動の手段が、さらに広がったと感じました。 |
「GIS NEXT 第83号 掲載記事より」